なぜこのサービスを始めようと思ったのか?
ということをよく聞かれるのですが、
様々な背景とタイミングが重なりサービスを開始することとなりました。

前半はアイディアが形になっていく過程、
後半は忘れ物に関する背景となっています。
この両方が重なりこのサービスを開始することとなりました。

~アイディアが形になるまで~

2019年インバウンドゲストが3188万と最多となった翌年の2020年1月
「訪日外国人の忘れ物が多く、宿泊施設の業務を圧迫している」
という報道を偶然目にしました。
私は以前ホテルで働いていたこともあり気になる報道でした。
また輸出入の仕事を行い海外配送のノウハウが蓄積されてきたタイミングでもありました。

空港の様子1
空港の様子2

この2つの経験を活かせば
「宿泊施設の業務を圧迫している」という課題を
解決できるのではないか?
役に立てるのではないか? と思いました。

そして、忘れ物を返送する流れをフローチャートにしていくうちに
忘れ物を送るには宿泊施設は通常業務プラスの対応が必要になる…
ましてや国際配送となると国によりルールが違い禁制品等を調べたり、
言葉の壁でさらに手間がかかる…

「私はホテルマンをしていた時、多忙になると気持ちはあっても
対応が雑になってしまう、ということがありました…」

人材不足の宿泊業界の手間を無料で引き受ければ、
社会人の基礎を築くきっかけとなった、ホテルの役に立つのではないか?
との思いと、忘れ物を届けるのは善意で行うものとの勝手な思い込みがあったので、
ゲストさんからも宿泊施設さんからも料金を頂かないで配送する方法はないかと思案しました。

またホテルには、引き取り手のない忘れ物というのが沢山あり、
多くの物が処分費をかけて処分されていました。

無料で返せるようになると、買い換えた方が安いような携帯電話の充電器等も送り返す
ことが出来、処分されるものが少なくなるのでは?と思いを巡らせました。

その時浮かんだのが、昔あった0円コピーでした。
用紙の裏に広告があるもの(広告の裏紙?)にコピーするという
0円で出来るというものでした。

忘れ物を返送する箱の中に、観光情報、飲食情報、宿泊情報、お土産のリピート購入、
等のパンフレットを入れる事と、何なら箱にも観光地を入れれば
そこに行きたくなるのでは?
この広告を行えば宿泊施設さん、ゲストさん両者から料金を頂かず
送り返せるのではないか?と考えました。

*箱に観光地を印刷するのは、サザエさんのオープニングがモデルです。
サザエさんのオープニングで取り上げられる観光地は、都道府県や自治体が広
告費を出し行っています。半年で600~900万円らしいのですが、紹介された観
光地は多くの人が訪れるそうです。

広告イメージ1
広告イメージ2

元々何らかの理由で日本に興味があり訪れた方達です。
セグメントが取れている広告なので、これで料金を頂かず送れる!
そう思いました。

しかし、広告は多くの人の目に触れることが第一条件です、数がない物に広告
の需要はありませんでした…

私達が海外旅行で忘れ物をしたとき、大手の旅行会社さんを通して問合せをす
ると問合せ費用として3000円が必用です。
見つかった場合そこから配送料等がさらにかかってきます。
忘れ物をした人が料金を支払うのは世界共通のようでしたので、
不本意ですがまずはゲストさんから料金を頂き、宿泊施設さんからは料金を頂
かないというサービスになりました。

今後はゲストさんに頂いている料金が少しでも安くなるように努めていく方向
です。


~忘れ物に関する背景~

2020年1月
「訪日外国人の忘れ物が多く、宿泊施設の業務を圧迫している」
という報道を見た時、小学生の頃の忘れ物の記憶が思い出されました。

私は福岡県大牟田市生れで、炭鉱で命を懸けて働く人が多いせいか、
気が荒い人達が多く、その中でも社宅に隣接したスラムのような地域で育ちま
した。

スラムと言うと大げさに聞こえるかもしれませんが、
昼から角打ちで飲んでるオジサン…ではなく
角打ちの裏にある栓が抜かれたビール瓶に、残ってるビールを集めて飲んでる
オジサンがいたり、公園には家を追い出され、紙袋と毛布を持ったお母さんが
子どもを連れている光景や、火が付いた毛布を引きずりながら歩いている人を
見かけた事もありました。

そんな環境の中、我が家は商売をしていましたが傾き始めたころで、借金取り
が来たり、督促の電話がかかってくるような家庭でした。

親父には理不尽な理由で殴られたりしましたが、
周りの友達も同じような環境で、先生もビンタをする時代でしたので、
当時はそれが普通だと思っていました。

(当時「俺はあばれはっちゃく」という子ども向けの番組がありましたが
テレビでも子どもがぶん殴られるシーンもよくありました。)

そんな私の住む地域の子供会では夏休みに小旅行に行く行事があり
毎年それを楽しみにしていました。

その小旅行で小学6年生の時、親父に借りたカメラを忘れて帰った事がありました。

家に帰ってカメラがないことに気づくと
「どげんかして見つけてこい!!」
とぶん殴られました。

しかし車で3時間程かかる場所に探しに行く事も出来ません。
どうしようと考えた末、旅のしおりを見て104で電話番号を調べ
祈る気持ちで施設に電話しました。

私「青色のDrスランプあられちゃんの袋に入ったカメラの忘れ物が
ないでしょうか?」

施設の人「調べますので少しお待ちください」

と言われ
「頼む…あってくれ…」
「もう親父にぶん殴られたくない…」
「なかったらどうしよう…」

そんな事を考えながら受話器のこちらで待つ私には
とにかく長く長く感じました。

施設の人「はい、あります」

その言葉を聞いたときは、
体の力が抜けていくような安心感と
安堵感に包まれる感じでほっとしました。

しかし「高額品で壊れると責任が持てないので取りに来てください」
との事でした。

一難去ってまた一難…
「解りましたまた電話しますので預かっておいてください」
というのが精一杯でした。

行く方法もわからなければ、お金もない
悩んだ末、小学校の担任の先生に相談しました。

事情を話し、ここに行くにはどうしたら良いか聞くと

「わかった、先生が取ってきてやる、
日曜しか行けないけどいいか?」
とのことでした。

ビンタをする先生でしたがその時は
金曜ロードショーで見たスーパーマンに先生が見えました。
(弊社のアイコンにスーパーマンがいるのはここに由来しています)

そうして無事に手元に戻ったカメラですが

先生に取ってきてもらったというと、
結局オヤジにぶん殴られましたw


忘れ物が見つかった時と、手元に戻って来た時の安堵感、
二つ返事で往復6時間かけて荷物を取りに行ってくれた先生が
サービス構築の背景にあります。
そこにホテルでの経験や、輸出入の知識、多くの外国人が
日本を訪れるようになったタイミングが重なり
忘れ物海外配送サービスワスラックを開始する事となりました。

宿泊施設様がゲスト様を大切に思う気持ちは
様々なサービス業の中でも群を抜いていて、
ホテルで働いた経験があるから感じる事だと思っております。

宿泊施設、ゲスト、地域を忘れ物で繋ぎ
互いに貢献し合う三方良しのサービスになるよう
努めてまいりますので、引き続きよろしくお願いいたします。